資格概要 -Overview-

① 資格の趣旨
「特定技能」の在留資格は、日本で深刻な労働力不足が生じている特定の産業分野において、外国人労働者を受け入れるために設けられた在留資格です。2019年に新たに創設され、日本の経済発展を支えるために、即戦力となる技能を持った外国人労働者が日本で活躍できる機会を提供しています。この資格には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。
【特定技能1号】
一定の技能や知識を有し、即戦力として働ける外国人が対象です。2025年1月現在、特定の16分野(介護・ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船/舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・自動車運送業・鉄道・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業・林業・木材産業)で就労が認められており、最長5年間日本で働くことができます。ただし、家族の帯同は原則として認められていません。
【特定技能2号】
特定技能1号よりもさらに高度な技能を有する外国人が対象で、就労分野は特定の11分野です。この資格では家族の帯同が可能で、在留期間の更新に制限がなく、長期的に日本で働くことができます。特定技能制度は、日本の深刻な人手不足を解消するため、外国人労働者が日本で活躍できる柔軟な制度として注目されています。
なお、特定の産業分野とは以下のとおりです(2025年1月現在)。
●介護
〈 従事する主な業務 〉
身体介護等(介護を受ける人の状況にあわせて入浴、食事、排せつを助けること等)/身体介護等に関係して助けが必要なしごと(レクリエーションの実施、リハビリテーションの補助等)
●ビルクリーニング
〈 従事する主な業務 〉
多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)の内部を対象に、衛生的環境の保護、美観の維持、安全の確保及び保全の向上を目的として、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を行い、建築物に存在する環境上の物質を排除し、清潔さを維持する業務
●工業製品製造業
〈 従事する主な業務 ・機械金属加工区分〉
鋳造 / 鍛造 / ダイカスト / 機械加工 / 金属プレス加工 / 鉄工 / 工場板金 /仕上げ / プラスチック成形 / 機械検査 / 機械保全 / 電気機器組立て / 塗装 / 溶接 / 工業包装 /強化プラスチック成形 / 金属熱処理業
〈 従事する主な業務・電気電子機器組立て区分 〉
機械加工 / 仕上げ / プラスチック成形 / プリント配線板製造 /電子機器組立て / 電気機器組立て / 機械検査 / 機械保全 / 工業包装 /強化プラスチック成形
〈 従事する主な業務 ・金属表面処理区分〉
めっき / アルミニウム陽極酸化処理
〈 従事する主な業務・紙器/段ボール箱製造区分 〉
紙器・段ボール箱製造
〈 従事する主な業務 ・コンクリート製品製造区分〉
コンクリート製品製造
〈 従事する主な業務 ・RPF製造区分〉
RPF製造
〈 従事する主な業務 ・陶磁器製品製造区分〉
陶磁器工業製品製造
〈 従事する主な業務 ・印刷/製本区分〉
印刷 / 製本
〈 従事する主な業務 ・紡織製品製造区分〉
紡績運転 / 織布運転 / 染色 / ニット製品製造 / たて編ニット生地製造 /カーペット製造
〈 従事する主な業務 ・縫製区分〉
婦人子供服製造 / 紳士服製造 / 下着類製造 / 寝具製作 / 帆布製品製造 /布はく縫製 / 座席シート縫製
●建設
〈 従事する主な業務・土木区分 〉
型枠施工 / コンクリート圧送 / トンネル推進工 /建設機械施工 / 土工 / 鉄筋施工 / とび / 海洋土木工/その他土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業
〈 従事する主な業務・建築区分 〉
型枠施工 / 左官 / コンクリート圧送 / 屋根ふき /土工 / 鉄筋施工 / 鉄筋継手 / 内装仕上げ /表装 / とび / 建築大工 / 建築板金 / 吹付ウレタン断熱/その他建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕又は模様替に係る作業
〈 従事する主な業務 ・ライフライン・設備区分〉
電気通信 / 配管 / 建築板金 / 保温保冷/その他、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業
●造船・舶用工業
〈 従事する主な業務・造船区分 〉
溶接 / 塗装 / 鉄工 / とび / 配管 / 船舶加工
〈 従事する主な業務 ・舶用機械区分〉
溶接 / 塗装 / 鉄工 / 仕上げ / 機械加工 / 配管 / 鋳造 / 金属プレス加工 /強化プラスチック成形 / 機械保全 / 船用機械加工
〈 従事する主な業務・舶用電気電子機器区分 〉
機械加工 / 電気機器組立て / 金属プレス加工 / 電子機器組み立て /プリント配線板製造 / 配管 / 機器保全 / 船用電気電子機器加工
●自動車整備
〈 従事する主な業務 〉
自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する業務(電子制御装置の整備や鈑金塗装など)の基礎的な業務
●航空
〈 従事する主な業務 ・空港グランドハンドリング区分〉
指導者やチームリーダーの下に行う/航空機地上走行支援業務/手荷物・貨物取扱業務/手荷物・貨物の航空機搭降載業務/航空機内外の清掃整備業務
〈 従事する主な業務・航空機整備区分 〉
国家資格整備士等の指導・監督の下、機体や装備品等の整備業務のうち運航整備(空港に到着した航空機に対して、次のフライトまでの間に行う整備)/機体整備(通常1~1年半毎に実施する、約1~2週間にわたり機体の隅々まで行う整備)/装備品・原動機整備(航空機から取り下ろされた脚部や動翼、 飛行・操縦に用いられる計器類等及びエンジンの整備)
●宿泊
〈 従事する主な業務 〉
フロント業務(チェックイン/アウト、周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配等)/企画・広報業務(キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成、HP、SNS等による情報発信等)/接客業務(旅館やホテル内での案内、宿泊客からの問い合わせ対応 等)/レストランサービス業務(注文への応対やサービス(配膳・片付け)、料理の下ごしらえ・盛りつけ等の業務 等
●自動車運送業
〈 従事する主な業務・バス運転者区分 〉
運行業務(運行前後の車両点検、安全な旅客の輸送、乗務記録の作成等)/接遇業務(乗客対応等)
〈 従事する主な業務 ・タクシー運転者区分〉
運行業務(運行前後の車両点検、安全な旅客の輸送、乗務記録の作成等)/接遇業務(乗客対応等)
〈 従事する主な業務・トラック運転者区分 〉
運行業務(運行前後の車両点検、安全な貨物の輸送、乗務記録の作成等)/荷役業務(荷崩れを起こさない貨物の積付け等)
●鉄道
〈 従事する主な業務 ・軌道整備区分〉
軌道検測作業(高低、通り等軌道の変位を測定する作業)/レール交換作業(新旧レール交換 / 付帯作業(吊り上げ作業等))/まくらぎ交換作業(新旧まくらぎ交換 / 付帯作業(道床掘削作業等))/バラストを取り扱う作業(バラスト掘削及び埋戻し / 道床形状の形成 / つき固めや通り整正に伴う作業等)/保安設備を取り扱う作業等(脱線防止ガード等保安設備の取り付け(交換・撤去・復旧等) / 付帯作業(締結装置の緊張・緩解作業等))
〈 従事する主な業務 ・電気設備整備区分〉
電路設備(電車線、送電線、配電線等)/変電所等設備(遮断装置、変圧器、整流器、避雷器、保護装置、接地装置、消火設備等)/電気機器等設備(配電盤、開閉器、電源装置、照明設備、電気掲示器、電気融雪器等)/信号保安設備(信号装置、転てつ装置、連動装置、列車検知装置、自動列車停止装置等)/保安通信設備(交換装置、搬送装置、無線装置、端末装置、通信線等)/踏切保安設備(踏切遮断機、踏切警報機、踏切警報時間制御装置、踏切支障報知装置、障害物検知装置等) ※設備の支持物、ケーブル、管路、配線等を含む)
〈 従事する主な業務 ・車両整備区分〉
以下を例とする業務等が対象となる。
列車検査、定期検査、臨時検査(空調装置、集電装置、走行装置、ブレーキ装置、空気装置、電気装置、動力発生装置、保安装置、車体、乗務員室・客室に関わる装置、連結装置等や車両部品の検査、修繕等(解ぎ装等作業や消耗品の補充を含む))/構内入換(車両基地等での車両の入換や誘導等)/駅派出対応(駅等における車両の検査・修繕等)/改造工事(車両の改造や改良工事等)/定期・臨時清掃業務(車両基地における車両の清掃等)/在庫・予備品管理、工場設備取扱い/材料や部品、装置等の管理及び設備の操作・管理
〈 従事する主な業務・車両製造区分 〉
素材加工(シートモケット加工 / 台車枠、構体部品加工等)/部品組立て作業(輪軸(駆動装置)、配電盤等電気機器組立て / ドア、窓、ほろ、シート等内装設備品組立て等)/構体組立て(台枠、屋根構体、側構体及び妻構体組立て / 構体(六面体)組立て等)/塗装/溶接・ぎ装(機器取付け、配線、配管 / ドア、窓、天井、トイレ設備等内装部品取付け)/台車枠製造/台車組立て/電子機器組立て(運転保安装置(ATC装置やATS装置)、制御装置、モニタ装置等の組立て)/電気機器組立て(継電器等を使用した配電盤等の組立て)/試験・検査(機能検査等)/部品検収・配膳業務(倉庫管理及び部品等運搬等)
〈 従事する主な業務・運輸係員区分 〉
ポイント操作(列車等の進路を決めるポイント操作、列車の進路に合わせた適正な鉄道信号の現示又は表示)/入換え合図(列車等の転線、連結・分割等を行うための係員への合図)/駅設備管理・取扱業務(駅の券売機・改札機等の管理、操作 / 設備故障時の一次修理対応)/旅客案内・貨物取扱業務(通常時・異常時のホーム上安全確認や旅客案内 / 振替輸送時等の旅客案内 / 貨物の受付、一時留置場所・積載列車等の指定等)/運行管理業務(列車ダイヤと列車運行の確認・管理 / 異常時における運休や増発の列車指定)/車掌業務(列車内の旅客案内、運転士への合図 / 事故防止等に必要な安全確認 / 事故発生時の列車防護等による事故拡大防止等の対処を行う / 異常発生時等の避難誘導等)/運転士業務(列車の運転には動力車操縦者運転免許要す)(列車等の運転(ワンマン列車運転の場合は車掌業務も兼任))
●農業
〈 従事する主な業務 ・耕種農業区分〉
各作物に応じた土壌づくり/施肥作業/種子、苗木の取扱い/資材、装置の取扱い/栽培に関する作業/安全衛生業務 等
〈 従事する主な業務 ・畜産農業区分〉
各畜種に応じた器具の取扱い/個体の取扱い、観察/飼養管理/生産物の取扱い/安全衛生業務 等
●漁業
〈 従事する主な業務 ・漁業区分〉
釣りによる方法を主とした魚介類の捕獲(延縄漁、カツオ一本釣り漁、イカ釣り漁 等)/網やカゴによる方法を主とした魚介類の捕獲(定置網漁、まき網漁、曳網漁 等)/漁具(網、カゴ等)の修理作業/ソナーや魚群探知機による魚群の探索/漁に使用する網・縄を巻き上げる機械(ネット・ラインホーラー)、自動イカ釣り機等の機械操作/漁獲物の選別、函詰め、冷凍作業、下処理/漁港での漁獲物や漁具等の荷揚げ作業 等
〈 従事する主な業務・養殖業区分 〉
魚類や貝類、藻類などの育成/養殖魚の給餌、死んだ魚や残餌等の除去/養殖貝類の付着物の清掃/養殖水産動植物の収獲(穫)、魚市場や陸揚港への運搬作業/養殖貝類の殻剥き/養殖池や網の清掃、水質等の管理/養殖筏の製作、補修/養殖水産動植物の種苗の生産、採捕 等
●飲食料品製造業
〈 従事する主な業務 〉
原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥などの、生産に関わる一連の作業など/業務で使う機械の安全確認や、作業者の衛生管理などの、業務上の安全衛生と食品衛生を守るための業務
●外食業
〈 従事する主な業務 〉
飲食物調理(客に提供する飲食料品の調理、調製、製造を行うもの)/接客(客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務を行うもの)/店舗管理
●林業
〈 従事する主な業務 〉
苗木を植え、樹木を育てる作業/丸太を生産する作業 等
●木材産業
〈 従事する主な業務 〉
製材/単板(ベニヤ)製造/木材チップ製造/合板製造/集成材製造/プレカット加工/銘木製造/床板製造
② 資格要件
【技能水準の確認】
申請者は、希望する分野での一定の技能や知識を有していることを証明する必要があります。これには、日本政府が実施する「技能試験」に合格することが含まれます。技能試験は、職種ごとに異なる基準が設けられており、申請者がその分野で即戦力として働けることを示す必要があります。
【日本語能力の証明】
申請者は、業務を遂行するために必要な日本語能力を有していることを証明しなければなりません。これには、日本語能力試験(JLPT)N4以上の合格、または特定技能試験に付随する日本語能力評価に合格することが含まれます。日本語能力は、日常会話ができ、業務指示を理解できるレベルが求められます。
【年齢要件】
申請者は18歳以上であることが求められます。未成年者は、特定技能資格を申請することができません。
【適正な雇用契約の締結】
申請者は、日本国内の企業と適正な雇用契約を結ぶ必要があります。雇用契約では、労働条件、給与、福利厚生、労働時間などが日本の労働法に基づいて適切に定められている必要があります。
【技能実習制度からの移行】
技能実習を修了した外国人は、特定技能1号の資格に転換することが可能です。この場合、技能試験と日本語試験が免除されることがあります。
【受入れ企業による産業分野別協議会への加入】
特定技能制度の適切な運用を図るため、各特定産業分野ごとに所管省庁が協議会を設置しており、受入れ企業は、該当するこれらの協議会に加入する必要があります。この協議会は、受入れ機関、業界団体、関係省庁などで構成され、特定技能外国人の受入れに関する制度の周知や法令遵守の啓発、地域ごとの人手不足状況の把握と対応策の検討などを行っています。
必要書類・審査期間

③ 在留資格認定証明書交付申請必要書類(特定技能1号の例)
【共通書類】
・在留資格認定証明書交付申請書 1通
・申請取次者を介して複数の申請人について同時申請する場合は申請人名簿
・写真 1葉(指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
・返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、必要な額の郵便切手(簡易書留用)を貼付したもの 1通
以下の書類は入管へリンク先にてご確認ください。
【申請人に関する必要書類】
【所属機関の規模等に応じた次のいずれかの必要書類】
・第2表の1:一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関の必要書類
【分野に関する必要書類】
介護・ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船/舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・自動車運送業・鉄道・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業・林業・木材産業
④ 在留資格変更許可申請必要書類(特定技能1号の例)
【共通書類】
・在留資格変更許可申請書 1通
・申請取次者を介して複数の申請人について同時申請する場合は申請人名簿
・写真 1葉(指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
・申請人のパスポート及び在留カード 提示
以下の書類は入管へリンク先にてご確認ください。
【申請人に関する必要書類】
【所属機関の規模等に応じた次のいずれかの必要書類】
・第2表の1:一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関の必要書類
【分野に関する必要書類】
介護・ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船/舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・自動車運送業・鉄道・農業・漁業・飲食料品製造業・外食業・林業・木材産業
⑤審査期間
「特定技能」在留資格の審査期間は、通常1か月から3か月程度かかります。ただし、申請する地域や時期、書類の不備や追加確認が必要な場合は、審査期間がさらに延びることがあります。
まとめ
特定技能は、外国人が日本の特定の産業分野の職務に従事するために必要な在留資格です。適切な準備ができていれば比較的許可されやすい在留資格ですが、不備があると審査が厳しくなります。このため、十分に準備をして申請する必要がありますが、自分でやる場合、多くの書類を適切に揃えて申請にたどり着くことはとても大変です。不許可の確率を可能な限り低減させるためにも入国管理局の審査に適した書類作成や手続きに精通した行政書士に依頼することをお勧めします。

記事作成:浅野 長慈 (在留資格申請取次行政書士)
地方公共団体勤務の後、海外人材紹介会社、国内監理団体にて外国人材ビジネスを経験。2024年、アンコール事務所を開設。